2020/08/23
この寄席がイイねと君が言ったから 「狸寄席ぽんぽこストーリー」
2020年はこれまでの会場が使えません。
そこで今年は南7西3の成田山札幌別院新栄寺を借りて開催することになりました。さすがに3月のコロナ禍の中の開催は断念したが、7月4日の狸寄席については、感染対策をしっかりとした上で、なんとか開催したいと考えました。
5月の連休明けにはコロナが一旦落ち着き、どういった場所でクラスターが起こり、どういった感染対策が必要か徐々にわかってきたことも、開催の条件を考える良いヒントになりました。北海道は鈴木知事の号令のもと、新北海道スタイルで、経済を回していくという方針も示されてもいました。
狸寄席は小さな規模ですが、たくさんの方々の関わる興行という側面があります。関係するのは企画するわれわれスタッフ、出演者、出演者の交通・宿泊を手配する、チラシをつくる、ネットなどで宣伝する、メディアに取り上げてもらい取材を受ける、会場を借りる、チケットを販売委託する、お弁当の手配をする、出演者の順番や時間を調整し番組をつくる、めくりや出囃子の手配・準備も進める、当日は会場を設営する、音響や照明などのスタッフも動く。楽屋の準備と受付の準備、そしてもちろんお客様。
たった一回の寄席で本当にたくさんの人々が関わります。お客様の笑顔、そして関わっていただいたすべての方々の笑顔が見られることが何よりの楽しみです。
世の中の軸が変わってしまったとも思えるこのときに、生の寄席を届け、次に繋げることを模索していました。それは意地と言えるものかもしれません。
そしてこの7月の狸寄席で、初めてオンラインでの生配信にも取り組むことにしました。配信はyoutube の狸寄席ポンポコチャンネルから。
配信にあたって新たにスタッフも加わりました。彼は配信のプロフェッショナルで寄席にも興味を持っていて、若干30歳と若く、アイデアも豊富で、ここから新たな挑戦が始まります。
柳朝師匠には狸寄席宣伝の動画作成に協力いただきました。これが大変好評で、狸寄席のこと、新北海道スタイルでの開催を目指すことがわかりやすく伝えることができました。
当日は、会場の定員の半分以下に抑えて換気を良くして、手指衛生もしっかりとして、マスクも着用、入り口では検温とアルコール消毒液も用意し、新北海道スタイルでの開催としました。
人前でやるのは久しぶりという演者も多く、生の寄席は久しぶりというお客様も多かったです。そこにはたくさんの笑顔があり、たくさんの勇気をいただきました。
「どんな形でも、続けることが大事」
「新しくカメラを買いました。これで配信の素材を作ります」
「寄席って面白いですね、もっと良いものにしていきたい」
スタッフの言葉にも情熱が溢れます。
一番厳しいときが、一番伸びるとき。
この第25回狸寄席を無事に開催できたことが必ず次への第一歩に繋がっているはずと信じ、余韻に浸る間もなく、9月5日の第26回狸寄席三遊亭志う歌真打ちお披露目興行の準備を始めるチームぽんぽこなのでした。
つづく
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